本記事では、AppSheetのORコード・バーコードの生成・作成・読取り機能と活用法や導入の際のメリット・注意点について解説しています。
QRコード・バーコードは、小売業、物流業、製造業、医療業などの業界で、商品管理、備品管理、識別・追跡管理など、幅広い用途で使用れています。
特に、QRコード・バーコードの読取り機能と業務アプリ・業務システムの組合せにより、従来のアナログな方法に比べて、業務の自動化や業務プロセス改善などが飛躍的に進んでいます。
なかには、QRコード・バーコードの自動作成や読み込み機能を提供している業務プロセス改善のシステム・アプリを構築するツールも出てきています。
このQRコード・バーコードを使用できる代表的なツールが、Googleが提供している「AppSheet」です。
本記事では、カスタムシステム・アプリ構築ツール「AppSheet」の簡単な概要、QRコード・バーコード機能を導入する場合のメリットや注意点を詳しく解説します。
AppSheetとは?
AppSheet=Googleが提供するノーコードツール
まずはAppSheetの基本をみていきましょう。
AppSheetは、Googleが提供するノーコードでアプリ構築ができる開発ツールのひとつで、低コストで、柔軟かつ比較的高機能なアプリ構築ができる点に特徴があります。
【意味・定義】AppSheetとは?
AppSheetとは、Googleが提供するノーコードプラットフォームの一種で、ユーザーがプログラミングの知識なしにアプリケーションを作成できるツールをいう。
AppSheetは国内外問わず多くの企業で使われているノーコードツールの一つで、プログラミングの知識がなくても簡単にカスタムアプリを作成できます。
ノーコード開発・ノーコードツールとは?
ノーコード開発とは、ソースコードを書かずに、つまりプログラミングせずに、アプリケーションやWebサービスの開発をする開発手法のことです。
【意味・定義】ノーコード開発とは?
ノーコード開発とは、プログラミングせず、ノーコードツールの使用により、ビジュアルなツールやドラッグ&ドロップ等の直感的な作業によるアプリケーションやWebサービスの開発が可能な開発手法をいう。
こうしたノーコード開発のために使われるツールのことを、「ノーコードツール」や「ノーコード開発ツール」といいます。
【意味・定義】ノーコードツールとは?
ノーコードツールとは、プログラミングの知識がなくても直感的な画面操作やドラッグ&ドロップでカスタムアプリを作成できるツールをいう。
ノーコードツールは、従来のプログラミングに頼らずにビジネスユーザーや非技術者でも手軽にアプリ開発ができるようにするためのプラットフォームです。
AppSheetのメリット
AppSheetを導入するメリットは、以下の通りです。
AppSheetのメリット
- 導入コストの低さ
- 柔軟性とカスタマイズ性
- リアルタイムなデータ更新
- 開発時間の短さ
無料プランの提供もあるので、まずは無料でテストアプリを作ってみるのがおすすめです。
なお、AppSheetの料金プランにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。
QRコード・バーコードとは?これらの違いについても解説
QRコードとは?
【意味・定義】QRコードとは?
QRコードとは、情報を二次元バーコードでコンパクトに表現した、スマートフォンや専用のリーダーで読み取れるコードの一種をいう。
最近幅広く使われている「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標で、JIS、ISOで規格されています。
バーコードとは?
【意味・定義】バーコードとは?
バーコードとは、黒い線と空白の組み合わせで情報を符号化した視覚的なデータ表現方式をいう。
バーコードは、スーパーやコンビニなどに並ぶ商品によく見られ、商品の識別や在庫管理、販売時の精算などに使用されることが一般的です。
「QRコード」と「バーコード」の違いとは?
「QRコード」と「バーコード」の違い | ||
---|---|---|
QRコード | バーコード | |
形式 | 二次元コード | 一次元コード |
情報量 | 大容量の情報を格納 | 限られた情報のみを格納 |
読み取り方法 | スマホのカメラで撮影する | バーコードリーダーでスキャンする (AppSheetのバーコードリーダーはスマホのカメラを使用) |
データの種類 | テキスト、URL、ビジネスカードなど | 数字や文字など(一般的に製品の識別に使用) |
誤り訂正能力 | 一部の損失や汚れに対しても訂正が可能 | 一部の損失や汚れに弱く、訂正能力が低い |
QRコードとバーコードの違いは、QRコードは多くの情報を二次元に符号化してコンパクトに表現できるのに対し、バーコードは主に商品の識別情報を一次元で符号化して使用される点です。
AppSheetで使える「QRコード・バーコード」機能について
次に、AppSheetの「QRコード・バーコード」機能について詳しくご紹介します。
「QRコード・バーコード」を自動で生成・作成
AppSheetでは、外部のAPIと連携することで、QRコード・バーコードを自動で生成・作成できる機能を実装できます。
QRコードやバーコードを生成・作成する際は、埋め込みたいデータを指定するとコードに格納されます。
すでに機能が実装されたテンプレート「Barcode Generator」もあるので、まずはこちらを試してみるのが良いかもしれません。
参照:「Barcode Generator」について(AppSheet公式サイト)
「QRコード・バーコード」の読取り・スキャン
AppSheetには、スマートフォンやその他デバイスのカメラでQRコード・バーコードの読取り・スキャンができる「バーコードスキャナ」機能があります。
この機能を使うことで、データの取り込みや処理をアプリ内で実行できます。
通常、バーコードは専用機器でスキャンしますが、AppSheetのバーコードスキャナ機能はスマホのカメラで利用できる点が便利です。
参照:バーコードスキャナについて(AppSheet公式サイト)
AppSheetの「QRコード・バーコード」機能を使うメリット
AppSheetの「QRコード・バーコード」機能を導入することで、業務改善や効率化が期待されます。
AppSheetの「QRコード・バーコード」機能を使うメリット
- メリット1. 様々な情報を格納できる
- メリット2. 効率の向上
- メリット3. ヒューマンエラーの減少
- メリット4. スマートフォンで読み取れる
- メリット5. リアルタイムな追跡と管理が可能
以下、詳しく解説します。
メリット1. 様々な情報を格納できる
AppSheetの「QRコード・バーコード」機能を使うメリットの1つ目は、様々な情報を格納できる点です。
QRコード・バーコードは小さなスペースに多くの情報を格納できるので、物理的なスペースを節約した情報管理が可能です。
特に、QRコードはURLを格納できるため、スマホなどの読取りデバイスの機能と連動させることで様々な機能を発揮できます。
また、QRコード・バーコードの自動作成は情報の一貫性維持にも役立ちます。
メリット2. 効率の向上
AppSheetの「QRコード・バーコード」機能を使うメリットの2つ目は、効率の向上が期待できる点です。
大量のコードを短時間で自動生成・作成できるQRコード・バーコードは、手作業の手間を削減します。
情報をスキャンして取得することで、データ入力や情報検索の時間も軽減できます。
このように、QRコード・バーコードの機能は、情報の出力・取得ともに短時間・高効率でできるため、特に業務アプリと相性のいい機能です。
メリット3. ヒューマンエラーの減少
AppSheetの「QRコード・バーコード」機能を使うメリットの3つ目は、ヒューマンエラーの減少が可能な点です。
QRコード・バーコードをスキャンしてデータを取得するため、入力エラーや情報の誤りが最小限に抑えられます。
ヒューマンエラー減少の具体例
- 棚札のPC入力など、手動でのデータ変更ミスの減少
- 商品や在庫の識別における間違ったコード入力の減少
メリット4. スマートフォンで読み取れる
AppSheetの「QRコード・バーコード」機能を使うメリットの4つ目は、スマートフォンで読み取れる点です。
AppSheetはスマホのカメラがあればQRコード・バーコードの読み取りが可能で、専用機器は不要です。
これに対し、一般的なQRコードやバーコードの場合は、専用機器や専用アプリが必要なこともあります。
スマホやタブレットで業務に従事している場合は、AppSheetのQRコード・バーコードは、特に利便性を発揮します。
メリット5. リアルタイムな追跡と管理が可能
AppSheetの「QRコード・バーコード」機能を使うメリットの5つ目は、リアルタイムな追跡と管理が可能な点です。
AppSheetは、リアルタイムでデータベースとのデータの同期や更新ができます。
このため、AppSheetのQRコード・バーコード機能を導入すると、製品や社内備品などの追跡・在庫管理をリアルタイムで行えます。
資産のロケーションや状態を正確に把握できるため、リソースの適切な管理に役立ちます。
「QRコード・バーコード」機能を使う上での注意点
「QRコード・バーコード」機能を使う上での注意点をご紹介します。
「QRコード・バーコード」機能を使う上での注意点
- 注意点1. 適切な余白が必要
- 注意点2. 背景とのコントラストが必要
注意点1. 適切な余白が必要
「QRコード・バーコード」機能を使う上での注意点の1つ目は、適切な余白が必要な点です。
シールなどに印刷して製品や商品に貼る場合、QRコード・バーコードに十分な余白があることを確認しましょう。
QRコード・バーコードをギリギリで切ってしまい、余白がない状態ではコード部分の読み取りがうまくいかない場合があります。
このため、切り取ったQRコード・バーコードは、必ず読取りのテストをしておきましょう。
注意点2. 背景とのコントラストが必要
「QRコード・バーコード」機能を使う上での注意点の2つ目は、背景とのコントラストが必要な点です。
白背景に黒いコードのように、背景とのコントラストがないと読み取りを失敗する可能性があります。
特に赤系の色の背景はお勧めしません。
このため、特段の事情がない限りは、白地に黒いコードで出力するべきでしょう。
QRコード・バーコード機能の具体的な用途
AppSheetのQRコード・バーコード機能の用途の具体例
QRコード・バーコードは、用途に併せて使い分けることが重要です。
QRコード・バーコード用途の具体例 | ||
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用途 | 具体例 | |
QRコード | 製品や商品の追跡と管理 |
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広告やマーケティング |
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支払い |
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バーコード | 小売業や物流業の在庫管理 |
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製造業の生産管理 |
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備品管理 |
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AppSheetのQRコード・バーコード機能を利用した業務アプリの具体例
在庫管理アプリ・システム
備品管理アプリ・システム
まとめ
AppSheetのQRコード・バーコード機能を使って業務プロセスに適したカスタムシステム・アプリを簡単に構築することで、生産性や正確性の向上が期待できます。
注意点として、適切な余白や背景のコントラストを確保し、読み取りの精度を確保する点が挙げられます。
まずはAppSheetの無料プランで、QRコード・バーコード機能を使ったテストアプリを作ってみるのがおすすめです。
当社では、こうしたAppSheetを含めたノーコードツールを活用した業務アプリ・業務システムの開発会社の選定をサポートしております。
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