kintone(キントーン)とは?特徴・メリットを詳しく解説

本記事では、ノーコード・ローコードで業務アプリを開発できるツールであるkintone(キントーン)について解説します。

働き方改革やDX推進により業務改善ツールの普及が進むなか、テレビやWebなどのCMでkintoneを見聞きする機会が増えました。

kintoneは、様々な企業に導入されていますので、使ったことがある方もいらっしゃると思います。

他方で、実際に使ったことがない方にとっては、使い方の具体的なイメージが湧かないと思います。

そこで、本記事では、kintoneの特徴やメリット、できることや注意点などをわかりやすく解説します。

kintone(キントーン)とは?

kintoneのサービス、kintoneを提供するサイボウズ株式会社について、以下で簡単にご紹介します。

kintone=「ノーコード」「ローコード」ツール

【意味・定義】kintone(キントーン)とは?

kintoneとは、業務アプリケーションを簡単に作成・カスタマイズできるクラウドベースのノーコード・ローコードツールをいう。

【意味・定義】ノーコードツールとは?

ノーコードツールとは、プログラミングの知識がなくても直感的な画面操作やドラッグ&ドロップでカスタムアプリを作成できるツールをいう。

【意味・定義】ローコードツールとは?

ローコードツールとは、プログラミングスキルが少ないユーザーでも、直感的な画面、簡単なプログラミングや設定でアプリケーションを作成できるツールをいう。

サイボウズ株式会社とは

サイボウズ株式会社は、オフィス向けのソフトウェアや業務効率化ツールの開発・提供を行う日本企業で、1997年に設立されました。

代表的な製品にkintoneやサイボウズOfficeがあります。

参照:サイボウズ株式会社公式サイト / kintone公式サイト

kintoneの特徴

ローコード開発ツールであるkintoneの特徴には、下記が挙げられます。

kintoneの特徴
  • 自社の業務に合わせてカスタマイズしたアプリケーションを構築可能
  • システム開発のコストを低減可能
  • モバイル(スマホやタブレット)でも操作可能
  • チーム内のコミュニケーションを一元化可能

kintoneによるアプリケーションの構築は、業務効率の向上だけでなく、社内のコミュニケーションの一元化も実現できるため活用の幅が広いです。

kintoneを導入すべき理由

kintoneを導入すべき理由を5つご紹介します。

kintoneを導入すべき理由
  • 理由1. 効率と生産性の向上
  • 理由2. チームコラボレーションの充実
  • 理由3. 一元化した柔軟なデータ管理
  • 理由4. リアルタイムなデータ分析と情報共有
  • 理由5. クラウドベースの柔軟性とアクセス性

理由1. 効率と生産性の向上

kintoneを導入すべき理由の1つ目は、効率と生産性の向上が期待できる点です。

kintoneは社内の業務プロセスを自動化し、タスクの効率化を図るのに有効です。

データ入力や処理が簡単になるため作業時間が短縮され、生産性向上が期待できます。

理由2. チームコラボレーションの充実

kintoneを導入すべき理由の2つ目は、チームコラボレーションの充実です。

kintoneは、チームがリアルタイムで協力しやすくなる機能を備えています。

kintoneでできるチームコラボレーション
  • テーマごとに掲示板を作成し、情報を蓄積
  • 議題ごとにコミュニケーションの場を分けて情報を整理
  • データへのコメント追加
  • ユーザー同士でのメッセージ交換

データを見ながら業務遂行やコミュニケーションが行えるので、業務を円滑に進められます。

理由3. 一元化した柔軟なデータ管理

kintoneを導入すべき理由の3つ目は、一元化した柔軟なデータ管理が可能な点です。

さまざまなデータを統一的に管理できると、効率的な検索や分析が行えます。

kintoneでは、顧客や案件、プロジェクト管理や売上情報など、異なるソースのデータをまとめて管理できます。

理由4. リアルタイムなデータ分析と情報共有

kintoneを導入すべき理由の4つ目は、リアルタイムなデータ分析と情報共有ができる点です。

レポートや分析を手動で行う必要がなくなり、常に最新の情報にアクセス可能になります。

情報の確認だけではなくメンバーへの共有も可能で、適切な意思決定のスピードアップが期待できます。

理由5. クラウドベースの柔軟性とアクセス性

kintoneを導入すべき理由の5つ目は、クラウドベースの柔軟性とアクセス性です。

クラウドベースのプラットフォームであるkintoneは、どこからでも場所を問わず利用可です。

【意味・定義】クラウドベースとは?

クラウドベースとは、インターネットを通じてオンライン上のサービスにアクセスする形態をいう。

クラウドベースにより実現可能な働き方の具体例
  • 営業担当者:外出先で顧客情報の確認や更新を行う
  • 現場作業員:現場で日報を記入
  • リモートワーク担当者:在宅で業務に必要な書類や情報へアクセス

いつでも柔軟に、リアルタイムな情報にアクセス可能な作業環境を構築できます。

kintoneのメリット

kintoneのメリットは、以下で詳しく解説します。

kintoneのメリット
  • メリット1. ノーコードでカスタムアプリケーションを迅速に構築
  • メリット2. カスタマイズの容易さ
  • メリット3. フレンドリーなUI
  • メリット4. ワークフローの自動化
  • メリット5. 高いセキュリティ
  • メリット6. 通知機能とタスク管理の向上
  • メリット7. レスポンシブデザインでモバイルにも対応

メリット1. ノーコードでカスタムアプリケーションを迅速に構築

kintoneのメリットの1つ目は、ノーコードでカスタムアプリケーションを迅速に構築できる点です。

kintoneを使うと、プログラミングスキルがないユーザーもビジネスニーズに合わせたアプリケーションを開発できます。

数多くのサンプルが用意されており、用途に適したサンプルを選択するだけでアプリケーションを構築可能です。

新しい業務ニーズや急な変更に素早く対応でき、企業は競争力を維持・向上させられます。

メリット2. カスタマイズの容易さ

kintoneのメリットの2つ目は、カスタマイズの容易さです。

kintoneは、サンプルのデザインや詳細な設定を変更するなど、カスタマイズが容易です。

また、チームや部署ごとの異なる業務プロセスにも対応可能です。

さらに、拡張機能を利用すると追加機能の実装や外部サービスとの連携も簡単なので、自動化できる業務の幅が広がります。

メリット3. フレンドリーなUI

kintoneのメリットの3つ目は、フレンドリーなUIです。

kintoneの画面は直感的に操作できるようになっており、短い学習曲線で導入できます。

ドラッグ&ドロップなどでパーツを設定していくため、ゼロからコーディングする場合に比べて早くアプリケーションを完成させることが可能です。

【意味・定義】UI(ユーザーインターフェース)とは?

UI(ユーザーインターフェース)とは、Webサービスやアプリなどのサービスを利用するユーザーとサービスを提供する機器や道具の接点をいう。

UI(ユーザーインターフェース)とは?意味やUXとの違い、例をわかりやすく解説

メリット4. ワークフローの自動化

kintoneのメリットの4つ目は、ワークフローの自動化が可能な点です。

【意味・定義】ワークフローとは?

ワークフローとは、特定の業務プロセスやタスクの手順や流れや、これらの定義をいう。

kintoneによるワークフローの自動化は、社内稟議などの申請や承認だけではなく、申請状況や過去のステータス履歴なども可視化します。

ワークフローの自動化は、業務プロセスの最適化や生産性の向上も期待できます。

メリット5. 高いセキュリティ

kintoneのメリットの5つ目は、高いセキュリティが提供されている点です。

どこからでもアクセスできるアプリケーションの構築が可能だからこそ、重要な情報やデータを保護し、不正アクセスやデータ漏洩から組織を守ることが重要です。

想定外のアクセスを制御するIPアドレス制限機能、ログイン時に本人確認を行う二要素認証機能など、kintoneでは高いセキュリティが提供されています。

メリット6. 通知機能とタスク管理の向上

kintoneのメリットの6つ目は、通知機能とタスク管理の向上です。

日々の業務でのタスクの対応漏れ、タスクの状況把握が正しくできないことは多々あります。

kintoneでは、タスクの担当者へのリマインダー通知の送信、タスク設定者へのタスク完了通知の送信ができます。

メリット7. レスポンシブデザインでモバイルにも対応

kintoneのメリットの7つ目は、レスポンシブデザインでモバイルにも対応している点です。

【意味・定義】レスポンシブデザイン(レスポンシブウェブデザイン)とは?

レスポンシブデザイン(レスポンシブウェブデザイン)とは、デバイスや画面サイズが異なる場合であっても、それぞれのデバイス・画面サイズに対応して表示されるようにウェブサイトやアプリケーションをデザインする手法をいう。

レスポンシブデザインに対応しているkintoneは、PC・スマートフォン・タブレットなど、異なるデバイスの画面サイズに合わせて自動的にレイアウトが変更されます。

モバイル端末でも利用しやすいので、外出先でも手軽に業務に従事できます。

kintoneが適している業種・業務は?

kintoneは、中小企業から大企業まで、幅広い業種や業務に適しています。

kintoneが適している業種・業務の具体例
  • ソフトウェア開発
  • 製造業
  • サービス業
  • 販売 / 小売業
  • 人事 / 労務管理
  • 教育機関
  • 医療 / 福祉期間
  • 建設業
  • 金融業

kintoneはカスタマイズ性が高いので、さまざまな企業規模や業種の業務プロセスに合わせて機能を調整できます。

kintoneの導入事例

日本全国でkintoneを導入している企業は、業界や業種問わず30,000社を突破しています。

kintone導入時の留意すべきポイント

メリットが多いkintoneですが、導入する上で留意すべきポイントが3つあります。

kintone導入時の留意すべきポイント
  • ポイント1. 拡張機能の利用によるコストアップ
  • ポイント2. アプリケーションの過剰作成
  • ポイント3. 大量のデータ処理は不向き

ポイント1. 拡張機能の利用によるコストアップ

kintone導入時の留意すべきポイントの1つ目は、拡張機能の利用によるコストアップです。

拡張機能やプラグインは一部無料で提供されていますが、有料の機能も多いため注意が必要です。

便利な機能を追加できる一方、過度な利用はコスト増加の可能性があります。

予算を考慮し、必要な機能だけを選別することが大切です。

ポイント2. アプリケーションの過剰作成

kintone導入時の留意すべきポイントの2つ目は、アプリケーションの過剰な作成です。

簡単だからとアプリケーションを作成し過ぎると、管理やメンテナンスが困難になり、その結果、作業効率が落ちることも考えられます。

これでは本末転倒です。

アプリケーションの数や構成は計画的に検討し、不要なアプリケーションの作成は避けましょう。

ポイント3. 大量のデータ処理は不向き

kintone導入時の留意すべきポイントの3つ目は、大量のデータ処理は不向きなことです。

大量のデータ処理には、データベースの設計やクエリの最適化が必要になります。

kintoneは容量やパフォーマンスに制約があるため、大量のデータ処理に適さない場合があり、別のツールと連携して利用することも考えなければなりません。

【意味・定義】クエリとは?

クエリとは、データベースから情報を取得するための命令や条件をいう。

また、kintoneは、いわゆる「リレーショナルデータベース」ではないため、データ間のリレーションや、トランザクションによるデータベースへの一括処理の機能は利用できません。

まとめ

サイボウズ株式会社が提供するkintoneは、業務アプリケーションの開発を簡単に行えるローコードツールです。

業務に役立つビジネスアプリケーションを作成したり、チームのコミュニケーションを円滑にしたりと、社内での活用の幅が広いのが特徴です。

他方で、高度な機能の実装が難しい、CPUやサーバーの拡張などによる機能の拡張ができない、外部サービスとの連携ができないなど、業務の実態によっては、大きな制約もあります。

このため、ニーズを確認したうえで、計画的に導入を検討しましょう。

kintoneに関するよくある質問

kintone(キントーン)とはなんですか?
kintoneは、プログラミングスキルが少ないユーザーも簡単に業務アプリケーションを作成・カスタマイズできるクラウドベースのローコードツールです。
kintoneの導入にはどのくらいの時間がかかりますか?
基本的なアプリケーションは、直感的な操作のみで素早く構築できます。

具体的な導入期間は要件や複雑性によって変わりますが、通常は比較的短時間で導入可能です。

kintoneでカスタマイズは可能ですか?
はい、kintoneでは柔軟にカスタマイズ可能です。

さまざまなビジネスニーズに合わせた機能の調整、企業独自のカスタムアプリケーションが構築できます。

kintoneのセキュリティ対策はどうなっていますか?
kintoneは高いセキュリティ標準を備えており、データの暗号化やアクセス制御など、企業の情報を安全に保護する機能が組み込まれています。