ノーコード開発とは?メリット・デメリットやツール・事例についても解説

このページでは、ノーコード開発とはどんなものなのか、メリット・デメリット、ローコード開発との違い、開発手法、ノーコードツール、開発事例を紹介します。

ノーコード開発とは、ソースコードを書かずに、ノーコードツールを使用してアプリケーションやWebサービスの開発が可能な開発手法のことです。

近年でよく耳にするノーコード開発について、なぜ今ノーコードに注目が集まるのか、ローコード開発との違いなど初心者の方にもわかりやすく解説します。

ノーコード開発とは?

ノーコード開発=プログラミング不要の開発手法

ノーコード開発とは、ソースコードを書かずに、つまりプログラミングせずに、ノーコード開発ツールを使用してアプリケーションやWebサービスの開発をする開発手法のことです。

【意味・定義】ノーコード開発とは?

ノーコード開発とは、プログラミングせず、ノーコードツールの使用により、ビジュアルなツールやドラッグ&ドロップ等の直感的な作業によるアプリケーションやWebサービスの開発が可能な開発手法をいう。

ノーコード開発の手法を取る際に必要になるのが、ノーコードツールです。

ノーコードツールは様々な会社が提供しており、大部分は同じですが、ツールによって機能が少し異なります。

このノーコードツールを使うことで、ドラッグ&ドロップするだけでアプリの開発を可能にします。

ノーコード開発の特徴

ノーコード開発の特徴
  • 特徴1:無料から使えるノーコードツールが多い
  • 特徴2:開発期間とコストの大幅削減

特徴1:無料から使えるノーコードツールが多い

ノーコードツールの特徴の1点目は、ほとんどが無料から使える、という点です。

より正確には、基本的な機能については無料で、機能や容量の拡張が有料となっていることが多いです。

このため、無料で気軽に始めて、プランを拡張したいときや容量を増やしたいときに有料化することができます。

特徴2:開発期間とコストの大幅削減

ノーコードツールの特徴の2点目は、開発期間の短縮と人件費等の経費削減ができることです。

ノーコード開発では、プログラミングが不要なノーコードツールを使用します。

このため、プログラミング・コーディングなどの開発行程を大幅に削減、短縮できます。

これにより、開発期間と開発人材(特にエンジニア)のコストの削減が可能です。

近年ノーコード開発が注目される理由

ノーコード開発が注目される4つの理由とは?

近年、ノーコード開発は世界で注目を集めています。その理由は主に以下の4つです。

ノーコード開発が注目される4つの理由
  • IT人材の不足
  • クラウドサービスの一般化
  • 大企業によるノーコード開発への参入
  • DX促進

理由1:IT人材の不足

注目される理由1つ目は、IT人材の不足です。

近年のIT化は急速に伸びているものの、ITを扱える人材は、未だ多くないのが現実です。

参考:総務省|令和3年版 情報通信白書|ICT人材の不足・偏在

また、これからIT人材を育成するにも時間がかかり、現状の解消にはなりません。

このため、高い専門知識がなくても誰でもIT化を進めることができるノーコード開発の利用が注目されています。

理由2:クラウドサービスの一般化

注目される理由2つ目は、クラウドサービスが一般化してきたことです。

現在のノーコードツールは、クラウドサービスで提供されていることがほとんどです。

クラウドサービスでの提供により、ノーコードツールには、以下のメリットがあります。

クラウドサービスによる提供のメリット
  • オンラインで場所に関係なく開発・利用ができる
  • 高価・高性能なパソコンやツール等のローカル環境を必要としない
  • 専用のセキュリティの技術等を必要としない

以前は、クラウドサービスはセキュリティの低さや知名度から、使用する企業が少なく、従来の自社サーバを自社内に設置し、ローカル環境で操作することがほとんどでした。

しかし、最近ではクラウドサービスもセキュリティが高くなり、利便性が高く、また、利用料を抑えられることから、通常の業務で使用するツールなどをクラウドサービスに移行する企業が増えました。

これにより、ノーコードツールの使用も多くの企業の視野に入り、ノーコードによる業務改善や売り上げアップを目的に注目され始めています。

理由3:大企業によるノーコード開発への参入

注目される理由3つ目は、世界的大企業によるノーコード開発への参入です。

GoogleによるAppSheet買収など、世界的な企業によるノーコードプラットフォームの買収が盛んにおこなわれ、ノーコード開発が注目されるようになりました。

これにより、ノーコード開発は、ベンチャー企業やスタートアップ企業だけでなく、大企業にも注目されるようになりました。

理由4:DX促進

注目される理由4つ目は、DX化の促進です。

【意味・定義】DXとは?

DXとは、Digital Transformationの略称で頭文字を取りDXと呼ばれ、広義ではデジタル技術を用いて社会や人々の生活をより良くすること、狭義では主にビジネスシーンで使用され、企業がIT技術やデータを活用しビジネスに変革をもたらし競合優位性を高めることをいう。

日本の企業はITの課題に直面しています。

これについて経済産業省は、課題を放置した場合に2025年以降には大きな経済損失が待ち受けているとし、これを「2025年の崖」と発表しました。

参照:D X レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~ (サマリー)

そこで、多くの企業ではDX化を進めることで崖を突破することを掲げており、その対策の1つとしてノーコード開発が注目を浴びています。

特に専門知識がなくても、アプリの開発や業務改善システムを作成できることから、現場の人たちでIT化を図れるノーコード開発が注目されています。

ノーコード開発のメリット

ノーコード開発のメリット
  • メリット1:プログラミングの知識が必要ない
  • メリット2:サービス開発を低コストで実現
  • メリット3:開発期間の大幅短縮
  • メリット4:アジャイル開発向き

メリット1:プログラミングの知識・技術が必要ない

ノーコード開発のメリットの1点目は、プログラミングやコーディングの知識・技術が必要ない、という点です。

ノーコードツールは、ドラッグ&ドロップでアプリを開発することができます。

このため、特にプログラミングの知識がなくても、かんたんに組み立てていくことができます。

メリット2:サービス開発を低コストで実現

ノーコード開発のメリットの2点目は、初期費用やランニングコストなどの開発費を低く抑えることができる、という点です。

ノーコードツールは、ほとんどが無料から使用でき、有料の場合も、プランを複数から選べます。

このため、特に開発初期に発生する費用や使用料を抑えることができます。

また、ノーコードですので、プログラミングなどの開発行程が不要となり開発コストをかなり抑えることができます。

メリット3:開発期間の大幅短縮

ノーコード開発のメリットの3点目は、開発期間を大幅に短縮できる、という点です。

すでにアプリ開発の企画が固まっていたり、アプリの要件定義が整っている場合は、開発の行程では、ノーコードツールを使用して組み立てるだけになります。

このため、ノーコードツールでの開発では、開発期間を大幅に短縮することが可能です。

アプレボのサービスでは、アプリの条件にもよりますが、最短2週間で開発をすることも可能です。

お問い合わせはこちら

メリット4:アジャイル開発向き

ノーコード開発のメリットの4点目は、頻繁に仕様変更があるアジャイル開発でも対応可能である、という点です。

アプリ開発では、一般的には、アジャイル開発とウォーターフォール開発のいずれかの開発手法を取ります。

【意味・定義】アジャイル開発とは?

アジャイル開発は、ソフトウェア開発の手法の一つで、開発の途中で変更が起きることを想定し、短期間で細かな工程の開発と実装を繰り返し、製品のアップデートを細かく行う開発手法をいう。

【意味・定義】ウォーターフォール開発とは?

ウォーターフォール開発とは、システム開発における工程を上流工程から下流工程に順々に移行していく開発手法をいう。

ノーコードを使用した開発は、アジャイル開発に非常に適しています。

アジャイル開発は、企画→開発→テストを1サイクルとして、短期間で開発をし、開発を重ねるごとにバージョンアップさせていく手法です。

ノーコードツールは開発の修正や追加が容易で、開発を繰り返すアジャイル開発と相性が良いです。

ノーコード開発のデメリット

ノーコード開発のデメリット
  • デメリット1:デザインや詳細な設定の実現は難しい
  • デメリット2:プラットフォームへの依存度が高い
  • デメリット3:国内のサービスはまだ少ない
  • デメリット4:複数のノーコードツールの組合せには経験・スキルが必要

デメリット1:デザインや詳細な設定の実現は難しい

ノーコード開発のデメリットの1点目は、デザインや詳細な設定の作り込みが難しい、という点です。

ノーコードツールは、かんたんに開発ができるように、最初から難しい設定や組み立ての機能が省かれていることが多いです。

このため、独自のデザインをしたり、細かい機能や独自の機能をつけることは難しいです。

しかし、プラグインで拡張をしたり、コーディング・プログラミングで追加することなど、ノーコードツールによってはできることもあります。

デメリット2:プラットフォームへの依存度が高い

プラットフォームの提供中止があり得ることを想定する

ーコード開発のデメリットの2点目は、ノーコードツールのプラットフォームへの依存度が高い、という点です。

ノーコード開発では、クラウド上にあるノーコードツールのプラットフォームを使用してアプリ開発を行います。

このため、プラットフォームへの依存度が高い、というデメリット・リスクがあります。

もしノーコードツールを提供している会社がその提供を中止した場合、アプリも消えてしまう可能性があります。

ノーコードツールは慎重に選ぶ

対策としては、ノーコードツールの選択の際には、長年提供されているツールや多く使われているツールを使用するべきです。

一般的に、このようなツールは、ユーザーも多く、経営が安定しています。

仮に経営難になったとしても、他の企業に買収されることにより、サービスの存続が期待できます。

また、すでに使用しているノーコードツールが提供中止となる場合は、ノーコード開発のアプリはテストマーケティングとして割り切って使用し、フルスクラッチ開発によるリファクタリングをおこなう、などがあります。

デメリット3:国内のサービスはまだ少ない

ノーコード開発のデメリットの3点目は、国内のサービスはまだ少ない、という点です。

ノーコード開発は海外ではすでに広く使われているため、ノーコードツールも多くあります。

しかし、日本ではまだ展開しているツールが多くないため、日本製品が少なく、ツールの操作画面も英語で表記されています。

英語表記に関しては、Google chromeでツールを開き、Google 翻訳を画面上にあてて解消できることがあります。

デメリット4:複数のノーコードツールの組合せには経験・スキルが必要

ノーコード開発のデメリットの4点目は、複数のノーコードツールを組み合わせる場合は、経験・スキルが必要となる、という点です。

ノーコードツールは、当然ひとつだけで使うことはできますが、実は、複数を組み合わせて使うことができます。

ノーコードツールを複数組み合わせて使うことにより、低コストでより高機能なアプリ開発もできます。

ただ、複数のノーコードツールを組み合わせて使う場合、それぞれのノーコードツールについて、経験や技術が必要になります。

しかも、実際に組み合せる複数のノーコードツールのすべてに詳しいエンジニアが必要になる場合があります。

ノーコード開発とローコード開発の違い

ローコード開発とは?

ローコード開発とは、アプリ開発を支援するローコードツールを使用して、なるべくソースコードを書かずに開発をし、必要な部分のみスクラッチで対応する開発手法です。

【意味・定義】ローコード開発とは?

ローコード開発とは、プログラミングスキルが少なくても、ビジュアルなツールやコンポーネントを使ってアプリケーションが作れる方法をいう。

ローコード開発とは?メリット・デメリットやツール・事例についても解説

ローコードツールを使用することで、従来のフルスクラッチでのアプリ開発に比べ、開発期間を短縮し、こだわりの細部はスクラッチで追加もできるハイブリットな開発手法です。

ノーコード開発との違い

ノーコード開発とローコード開発の違いは、ノーコードは「No-Code=コーディング・プログラミングが不要」、ローコードは「Low-Code=少ないコーディング・プログラミング」を意味しますので、コーディングを不要とするか、必要最低限にコーディング・プログラミングをするかです。

厳密に言えば、ノーコード開発でコーディング・プログラミングを追加する、ローコード開発でコーディング・プログラミングを追加せずノーコードとして開発する、というようなことが可能になります。

このため、ノーコードツールなのかローコードツールなのかは、解釈や文脈によってバラバラです。

見分け方としては、通常機能としてコーディング・プログラミングを追加できるのがローコードツール、コーディング・プログラミング追加を主張していないが拡張機能やプラグインでコーディング・プログラミングできるのがノーコードツールくらいに思うと良いでしょう。

おすすめノーコードツール10選

スマホアプリ開発向け無料ノーコードツール

ノーコードツール 公式URL
Bubble https://bubble.io/
Adalo https://www.adalo.com/
Glide https://www.glideapps.com/
Thunkable https://thunkable.com/#/
Shopify https://www.shopify.com/jp

業務効率化におすすめの無料ノーコードツール

ノーコードツール 公式URL
Airtable https://www.airtable.com/home/built-for-you
AppSheet https://about.appsheet.com/home/

WEBサイト制作におすすめの無料ノーコードツール

ノーコードツール 公式URL
STUDIO https://studio.design/ja
Wix https://ja.wix.com/
Jimdo https://www.jimdo.com/jp/

ノーコード開発の事例

ブラリノ:Bubble

こちらは「Bubble」を使用して開発された結婚式準備サービスのアプリです。

ブラリノ | 結婚式に新しいカタチを

参照:結婚式の準備から当日まで、スマホ1つで管理できるサービス開始|合同会社renoのプレスリリース

LIXIL:Appdheet

株式会社LIXILでは、ノーコードツール「AppSheet」を使用して、現場の社員みずから業務を効率化するアプリケーションの開発を行っています。

参照:LIXIL、現場社員3963人がノーコード開発で1万7007個のアプリケーションを開発 | IT Leaders

株式会社秦農園:STUDIO

株式会社秦農園のホームページは、WEBサイト制作ノーコードツールの「STUDIO」を使用して作成されました。

参照:有田みかんを生産・販売|有田市の株式会社秦農園 | STUDIO Showcase

ノーコードツールを使用した開発はアプレボへ

アプレボでは、無料でアプリ開発の企画から企画書の添削、要件定義までご相談が可能です。

貴社に合う開発業者のご紹介から、開発委託まで幅広く対応しています。

また、ノーコードアプリをご希望の場合、ノーコード開発のエキスパートが、企画から開発まで担当します。

ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

ノーコード開発に関するよくある質問

ノーコード開発とはなんですか?
ノーコード開発とは、ソースコードを書かずに、ノーコードツールを使用してアプリケーションやWebサービスの開発が可能な開発手法のことです。
ノーコード開発のメリットを教えて下さい。
ノーコード開発のメリットは以下の通りです。

  • メリット1:プログラミングの知識が必要ない
  • メリット2:サービス開発を低コストで実現
  • メリット3:開発期間の大幅短縮
  • メリット4:アジャイル開発向き
ノーコード開発のデメリットを教えて下さい。
ノーコード開発のデメリットは以下の通りです。

  • デメリット1:デザインや詳細な設定の実現は難しい
  • デメリット2:プラットフォームへの依存度が高い
  • デメリット3:国内のサービスはまだ少ない
  • デメリット4:複数のノーコードツールの組合せには経験・スキルが必要