本記事では、ノーコードツール「Bubble(バブル)」と「Adalo(アダロ)」の比較について解説しています。
BubbleとAdaloは、ともにウェブアプリやPWA(プログレッシブウェブアプリ)などが構築できる、よく似たノーコードツールです。
このため、特にノーコードツールでウェブアプリを構築する場合、BubbleとAdaloのどちらを利用するか比較検討されることが多いです。
ところが、このBubbleとAdaloは細かな点で違いがあり、それぞれ、向いているアプリや向かないアプリがあります。
そこで、本記事では、ウェブアプリの構築を検討している方に向けて、Bubble(バブル)とAdalo(アダロ)について、基本的な解説と比較検討をします。
Bubble(バブル)・Adalo(アダロ)とは?
最初に、Bubble(バブル)とAdalo(アダロ)の概要をみていきましょう。
Bubble(バブル)とは?
【意味・定義】Bubble(バブル)とは?
Bubble(バブル)とは、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で簡単に高度なウェブアプリの構築が行えるノーコードツールをいう。
Bubble(バブル)は2012年に誕生したアメリカ発のノーコードツールで、事前に用意された機能を組み合わせるだけでアプリの構築ができます。
HTMLやCSSなどを用いたカスタムコードも書けるため、プログラミングの専門知識がある場合は、実装可能な機能の幅が広がります。
この他、Bubbleに関する解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。
Adalo(アダロ)とは?
【意味・定義】Adalo(アダロ)とは?
Adalo(アダロ)とは、プログラミングの知識がなくてもビジュアブルな操作で、主にネイティブアプリの開発ができるノーコードツールをいう。
Adalo(アダロ)は、2018年に登場したアメリカ発のノーコードツールです。
元々はモバイルアプリ専用の開発ツールでしたが、近年、PC向けアプリ開発ができるようにアップデートされています。
この他、Adaloに関する解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。
ノーコードツールとは?
BubbleとAdaloは、いずれもノーコードツールの一種です。
【意味・定義】ノーコードツールとは?
ノーコードツールとは、プログラミングの知識がなくても直感的な画面操作やドラッグ&ドロップでカスタムアプリを作成できるツールをいう。
専門的なプログラミング知識のない非技術者でも簡単にアプリ構築ができるノーコードツールは、アプリ開発の新手法として近年注目を集めています。
BubbleとAdaloの料金表の違いは?
BubbleとAdaloの料金をご紹介します。
どちらのツールも無料プランがあるため、簡単な開発自体に料金は発生しません。
Bubbleの料金プラン
Bubbleの料金プラン | |||
---|---|---|---|
月額料金 | おすすめの用途 | 主な機能 | |
Free | $0 | 開発途中のアプリ |
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Starter | $32 | 小規模から中規模のアプリ |
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Growth | $134 | 高度な機能が必要なアプリ |
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Team | $399 | 使用率の高いプロジェクトのスケーリング |
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Enterprise | お問い合わせ | 社内ツールや顧客向けアプリ |
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※年額払い割引あり
Bubbleではプロジェクトごとに料金が発生するため、複数のプロジェクトを進める予定がある場合は要注意です。
構築したアプリのデプロイ(外部公開)には有料プランへの切り替えが必要ですが、まずはFreeプランでのテスト開発がおすすめです。
【意味・定義】デプロイとは?
デプロイとは、開発されたアプリを運用環境に配置し、当事者以外のユーザーが利用できるようにするプロセスをいう。
Adaloの料金プラン
Adaloの料金プラン | |||
---|---|---|---|
月額料金 | おすすめの用途 | 主な機能 | |
無料 | $0 | 簡単なスタート・テスト開発 |
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スターター | $45 | 創業者・起業家が開発するアプリ |
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プロフェッショナル | $65 | 中堅・中小企業が開発するアプリ |
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チーム | $200 | フリーランサー・代理店が開発するアプリ |
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ビジネス | $250 | 企業・団体が開発するアプリ |
|
※年額払い割引あり
Adaloはプランごとに利用制限があるため、Bubbleと異なりデータベースの無制限使用ができない点に注意しましょう。
Adaloもアプリのデプロイは有料プランへの切り替えが必要です。
BubbleとAdaloの抑えておきたいポイントを徹底比較
次に、BubbleとAdaloの抑えておきたいポイントを徹底比較します。
BubbleとAdaloの抑えておきたいポイントの徹底比較
- 比較1. 開発ができるサービス
- 比較2. 機能のカスタマイズ性
- 比較3. 学習曲線・実装にかかる時間
- 比較4. 提供されているサポート
BubbleとAdaloの比較表
BubbleとAdaloの比較表 | ||
---|---|---|
Bubble | Adalo | |
開発ができるサービス | ウェブアプリ PWA |
ウェブアプリ PWA ネイティブアプリ |
機能のカスタマイズ性 | 高い | 低い |
学習曲線・実装にかかる時間 | 学習曲線が急 高機能の実装には時間がかかる |
学習曲線が緩やか 実装にかかる時間が比較的短い |
提供されているサポート | 英語のみ | 英語のみ |
各比較ポイントを詳しく解説します。
比較1. 開発ができるサービス
両者ともウェブアプリとPWAに対応している
BubbleとAdaloの抑えておきたいポイント比較の1つ目は、開発ができるサービスです。
どちらもウェブアプリやPWA(プログレッシブウェブアプリ)の構築ができます。
【意味・定義】ウェブアプリとは?
ウェブアプリとは、ウェブ技術(HTML、CSS、JavaScriptなど)を使用して開発され、ユーザーがウェブブラウザを通じて様々なプラットフォームで利用可能なアプリケーションをいう。
【意味・定義】PWA(Progressive Web Apps)とは?
PWA(Progressive Web Apps)とは、ネイティブアプリのような機能を提供するウェブアプリをいう。
ネイティブアプリの構築はAdaloだけが対応している
これに対し、ネイティブアプリの構築は、Adaloは対応していますが、Bubbleは対応していません。
Adaloは、元々ネイティブアプリに特化していたノーコードツールです。
このため、Adaloでウェブアプリを構築する場合、Androidアプリ・iOSの両方のOSに対応したアプリを同時に開発できます。
Bubbleはレスポンシブウェブデザインで対応できる
他方で、Bubbleはネイティブアプリの構築には向いていません。
ただし、Bubbleは、レスポンシブウェブデザインに対応しています。
【意味・定義】レスポンシブデザイン(レスポンシブウェブデザイン)とは?
レスポンシブデザイン(レスポンシブウェブデザイン)とは、デバイスや画面サイズが異なる場合であっても、それぞれのデバイス・画面サイズに対応して表示されるようにウェブサイトやアプリケーションをデザインする手法をいう。
このため、Bubbleは、PC・タブレット・スマホのいずれのブラウザにも対応したウェブアプリを構築できます。
【意味・定義】ネイティブアプリとは?
ネイティブアプリとは、PCやスマートフォンなどのデバイスにインストールして利用される、特定のプラットフォームに最適化されたアプリケーションをいう。
比較2. 機能のカスタマイズ性
BubbleとAdaloの抑えておきたいポイント比較の2つ目は、機能のカスタマイズ性です。
Bubbleはプラグインが多い
Bubbleは多くのプラグインが提供されているので、さまざまな機能を簡単に組み込めます。
Bubbleが提供する機能の具体例
- QRコードの生成・読み取り
- AI連携
- メール配信
- サブスク/プラットフォーム決済機能(Stripeなど)
このため、Bubbleは、Adaloに比べて高機能でカスタマイズ性が高い、と言えます。
Adaloはカスタマイズ性が低い
これに対し、Adaloは、Bubbleに比べるとカスタマイズ性が低いです。
Adaloが提供する機能の具体例
- スプレッドシート連携
- ジオロケーション
- カスタムアクション
- API連携
ただし、その分、開発にかかる手間が少ないため、比較的シンプルなアプリの構築に向いています。
参照:Bubbleの機能ついて(Bubbleの公式サイト) / Bubbleのプラグインについて(Bubbleの公式サイト) / Adaloの機能について(Adaloの公式サイト)
比較3. 学習曲線・実装にかかる時間
BubbleとAdaloの抑えておきたいポイント比較の3つ目は、学習曲線・実装にかかる時間です。
Bubbleは、カスタマイズ性が高い分、学習・実装に時間がかかる傾向があります。
これに対し、Adaloは、カスタマイズ性や柔軟性が低い分、簡単に学習・実装ができます。
このため、高いカスタマイズ性や性能を求める場合はBubble、シンプルな機能や開発期間の速さを求める場合はAdalo、という使い分けができます。
比較4. 提供されているサポート
BubbleとAdaloの抑えておきたいポイント比較の4つ目は、提供されているサポートです。
BubbleとAdaloは、どちらも英語でのサポートに対応していますが、Adaloに関しては公式サイトの一部が日本語に対応しています。
とはいえ、Bubble・Adaloともに非公式の日本語解説サイトや動画サイトが充実しています。
このため、英語が苦手であっても学習は可能です。
BubbleとAdaloの導入事例をご紹介
最後に、BubbleとAdaloの導入事例をみていきましょう。
Bubbleの導入事例
Bubbleの導入事例を3つご紹介します。
Bubbleの導入事例
Adaloの導入事例
Adaloの導入事例も3つご紹介します。
Adaloの導入事例
まとめ
Bubble(バブル)とAdalo(アダロ)はどちらもノーコードアプリ開発の先進的なプラットフォームで、それぞれ独自の特徴や利点を持っています。
Bubbleは豊富な機能と柔軟性があり、シンプルなアプリに限らず、複雑なアプリケーションの開発にも適しています。
一方Adaloは使いやすさと素早いプロトタイピングに優れていて、初心者やネイティブアプリの開発に適しています。
プロジェクト要件や開発者のスキルによって判断すべきポイントは異なりますが、どちらを選択しても効率的にアプリを開発できます。
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