Thunkable(読み方:サンカブル)は、初心者でも簡単にアプリケーション開発ができる視覚的なプログラミングツールです。
低コストで迅速な開発が可能で、プログラミングスキルが限られた企業であっても構築ができるため、幅広いタイプの企業から注目が高まっています。
このページでは、Thunkableの特徴・できることやメリット・デメリット、料金、導入事例について分かりやすく解説しています。
Thunkableとは
Thunkableは、コーディングスキルを必要とせずにモバイルアプリケーションを構築できるノーコードプラットフォームです。
【意味・定義】ノーコードプラットフォームとは?
ノーコードプラットフォームとは、ノーコード開発を支援する特別なソフトウェアやサービスのことで、プログラムを書かずにアプリケーションやウェブサービスを作るのに役立つツールをいう。
誰もがアプリケーションを簡単に作成できるようにするビジョンをもとにArun SaigalとWeiHua Liによって共同設立されたThunkableは、2015年にローンチされました。
それ以来、学生から起業家や企業まで、世界中のユーザーから支持を受けています。
Thunkableの特徴・できることは?
Thunkableの特徴・できること
- ノーコーディング開発体験
- クロスプラットフォーム開発
- 多彩なテンプレートとカスタマイズオプション
特徴1. ノーコーディング開発体験
Thunkableでは、ノーコーディング開発体験ができます。
直感的なGUIを利用してアプリケーションを作るので、コーディングの知識がなくても簡単にアプリケーションの構築が可能です。
【意味・定義】GUIとは?
GUIとは、「Graphical User Interface」(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)の略称で、文字を打つことなく、画面に出てくる絵やボタンをキーボード、マウス、タッチパネル等でクリックしたりタップしたり触ったりすることで、コンピューターやアプリケーションの操作をおこなう方法をいう。
なお、インターフェースにつきましては、詳しくは、以下のページをご参照ください。
特徴2. クロスプラットフォーム開発
Thunkableでは、クロスプラットフォームアプリケーションを一度の開発で構築できます。
【意味・定義】クロスプラットフォームとは?
クロスプラットフォームとは、異なる複数のデバイスやオペレーションシステム(iOSやAndroid)で動作できることをいう。
一度の作業で複数のユーザーグループにアプリケーションを提供できるので、多くの潜在的なユーザーにリーチすることが容易になります。
特徴3. 多彩なテンプレートとカスタマイズオプション
Thunkableでは、多彩なアプリケーション向けのテンプレートとカスタマイズオプションが用意されています。
テンプレートを一般的なアプリケーション機能の基盤として使うことで、構築にかかる時間と労力が節約されます。
また、テンプレートはカスタマイズが可能で、デザインや機能に独自の要件を組み込むことができます。
Thunkableのメリット5選
Thunkableのメリット
- 視覚的に操作が可能
- プロトタイプの素早い作成
- 様々なデータ連携が可能
- 使える機能が豊富
- 低コストでアプリケーション開発
メリット1. 視覚的に操作が可能
Thunkableのメリットの1つめは、視覚的な操作が可能なことです。
Thunkableでは、あ要素の配置やデザインの変更は、ドラッグ&ドロップなどの操作でおこないます。
このため、プログラミングの知識、技術、経験等がなくても簡単にアイディアを現実のアプリに変えることができます。
メリット2. プロトタイプの素早い作成
Thunkableのメリットの2つめは、アプリケーションのプロトタイプ(模型)を素早く作成できることです。
【意味・定義】プロトタイプとは?
プロトタイプとは、アイデアを実際のものにする前に、基本的なデザインや機能を試し、改良するための試作モデルをいう。
すでに述べたとおり、ThunkableのインターフェースはGUIであるため、要素の配置やデザインをおこなうだけで、操作可能なプロトタイプが作れます。
また、作成したプロトタイプをバーチャルモバイルや手持ちのモバイルでプレビューが可能なので、アプリケーションの外観と機能をリアルタイムで確認できます。
この機能により、プロトタイプのテストが効率的に行え、アイデアを実証し、POC(概念検証)としても利用できます。
メリット3. 様々なデータ連携が可能
Thunkableのメリットの3つめは、多岐にわたるデータ連携が可能なことです。
Thunkableは、データベース連携、API連携、クラウドサービス連携など、異なるデータソースとのシームレスな連携を容易に実現できます。
Thunkableを使ったデータ連携の具体例 |
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データベース連携 | ユーザー情報やコンテンツを効率的に管理 |
API連携 | 他のアプリケーションやプラットフォームとの統合を実現 |
クラウドサービス連携 | データのバックアップやスケーラビリティの向上が可能 |
これにより、アプリケーションは外部データやサービスからリアルタイム情報を取得し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
メリット4. 使える機能が豊富
Thunkableのメリットの4つめは、アプリケーションに組み込みたい便利な機能が揃っていることです。
具体的には、角速度センサー、音声合成、GPS位置情報、アラート(ポップアップ)表示など、多くの機能が利用できます。
Thunkableで使える便利な機能の具体例 |
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角速度センサー | デバイスの傾きや動きを検知する機能 (使用例:デバイスの動きを利用したスポーツシミュレーションゲーム) |
音声合成(テキスト→音声) | ユーザーにテキストを音声で提供する機能 (使用例:ショートメールの読み上げ) |
GPS位置情報 | ユーザーの場所情報を統合 (使用例:自身の現在地の共有) |
アラート(ポップアップ)表示 | ユーザーに情報を効率的に伝える機能 (使用例:お知らせやニュースをモーダルで表示) |
これらの機能は、アプリケーションの多様な用途や要件に対応し、柔軟性と創造力を提供します。
メリット5. 低コストでアプリケーション開発
Thunkableのメリットの5つめは、低コストでアプリケーション開発ができることです。
まずは一度気軽に試してみたい場合は、プロジェクトが10個まで作成できるフリープランがおすすめです。
また、有料プランにアップグレードをすると、さらに幅広い追加機能が利用できます。
プランの選択肢が豊富なので、特定のニーズに合わせて最適なプランを選択できるのが魅力的です。
Thunkableのデメリット3選
Thunkableのデメリット
- 機能制限やカスタマイズの制約
- 画面の操作が難しい
- 簡単に読める情報が少ない
デメリット1. 機能制限やカスタマイズの制約
Thunakableのデメリットの1つめは、テンプレートやコンポーネントのカスタマイズにおいて、他のプログラミング手法に比べて柔軟性が限定されていることです。
これは、コーディングの知識、技術、経験が不要なノーコードアプリ開発のメリットの裏返しでもあります。
Thunakableは、一般的な機能や要件であれば用意されているものが使えます。
しかしながら、独自の要件や複雑な機能の実装が必要な場合は、Thunkableの制約により柔軟性が不足する可能性が出てきます。
デメリット2. 画面の操作が難しい
Thunakableのデメリットの2つめは、UIの英語表記と操作方法が、最初は馴染みにくいことです。
ThunakableのUIはすべて英語表記となっています。このため、英語に慣れていない場合は、非常に使いづらい印象を受けるかもしれません。
ただ、英語表記に関しては、Chromeの翻訳ツールなどを利用することで、日本語表記に切り替えることができます。
また、Thunakableは、GUIによる視覚的な操作が重要視されているプラットフォームなので、慣れてしまえばスムーズに操作できるようになります。
デメリット3. 簡単に読める情報が少ない
Thunakableのデメリットの3つめは、日本語での情報やサポートが限られていることです。
Thunakableは、英語圏で展開されたため、簡単に読める日本語での情報は少ないです。
他方で、英語の情報、特に手厚いコミュニティーサポートや豊富な説明動画が提供されています。
このため、これらを併せて使うことで、Thunakableの学習や使用は可能です。
Thunkableで作れるものをご紹介
Thunkableで作れるアプリケーションの一例
- SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
- Eコマース(オンラインショッピング)
- オンラインフィットネス
- 教育
- ゲーム
アプリの具体例1:SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
Thunkableのアプリの具体例の1つめは、SNSです。
Thunkableは、友達とつながり、メディアを共有し、チャットで会話をするSNSアプリケーションを簡単に作成できます。
具体的には、事前に用意されたコンポーネントを使用し、ニュースフィードやメッセージ、ユーザープロファイルなどを構築できます。
また、Instagramなどのソーシャルメディアプラットフォームと連携をさせることで、それらのプラットフォームのポストなどをアプリケーション内に表示することもできます。
アプリの具体例2:eコマース(オンラインショッピング)
Thunkableのアプリの具体例の2つめは、eコマース(オンラインショッピング)です。
Thunkableは、ユーザーが商品を閲覧し、購入し、支払いを行うことができるeコマースアプリケーションの構築ができます。
いくつかのコンポーネントを組み合わせることでショッピングカート、商品リスト、そして支払いの仕組みが作れます。
Shopifyなどのeコマースプラットフォームと連携することも可能なので、商品や注文の管理プロセスの効率化もでき便利です。
アプリの具体例3:オンラインフィットネス
Thunkableのアプリの具体例の3つめは、オンラインフィットネスです。
コロナの影響もあり、最近はジムなどに通わずに、家の付近でジョギングや、家の中でワークアウトをおこなう人が増えています。
この際、ユーザーのワークアウトを追跡し、進捗を監視し、個別のワークアウトを提案するフィットネスアプリケーションが使われています。
Thunkableは、ユーザーダッシュボード、ワークアウト履歴、進捗トラッカーなどの機能があるアプリケーションが簡単に構築可能です。
Apple Watchなどのフィットネストラッキングデバイスを連携を行い、それらのデバイスのデータを収集し一元管理できるのもポイントです。
アプリの具体例4:教育
Thunkableのアプリの具体例の4つめは、教育です。
Thunkableは、講座、クイズ、またインタラクティブコンテンツを提供する教育アプリケーションを作成できます。
講座カタログ、ビデオプレイヤー、クイズ機能などを構築するだけではなく、Moodleなどの学習管理システムと連携をすると講座や課題の管理もできるようになります。
アプリの具体例5:ゲーム
Thunkableのアプリの具体例の5つめは、ゲームです。
Thunkableは、シンプルなパズルやクイズなどのゲームの構築ができます。
ドラッグアンドドロップのインターフェースを使用して、ゲームの仕組み、スコアボード、そしてレベルを構築します。
より複雑なゲームの制作を行う場合は、Unityなどのゲーム開発プラットフォームとの連携がおすすめです。
Thunkableの料金は?
Thunkableではいくつかのプランが用意されているので、ニーズにあったプランの選択ができます。
Free | Starter | Pro | Business | Team | |
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料金 | $0/月 | $15/月 | $45/月 | $200/月 | $500/月 |
プロジェクト上限 | 10個 | 20個 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
ストレージ | 100MB | 500MB | 1GB | 無制限 | 無制限 |
ブランドカスタマイズ | なし | なし | なし | あり | あり |
コラボレーション | なし | なし | なし | なし | あり |
参照:https://thunkable.com/pricing
ポイント
- Freeプラン : まずは試してみたい人におすすめ
- Proプラン:個人用のアプリケーションの構築&公開がしたい人におすすめ
- Teamプラン:複数人で一緒のアプリケーション開発がしたい人におすすめ
Thunkableの導入事例
Thunkableは、海外の様々な業種の企業において、活用されています。
海外導入事例
まとめ
Thunkableはアプリケーション開発を手軽に実現できるプラットフォームです。
ノーコードアプローチを採用していて、プログラミング経験のない人でも、アイデアを実現のアプリケーションに変えることができます。
ビジネスプロセスの最適化や顧客とのエンゲージメントを向上を目指している企業にとって、Thunkableは非常に魅力的な選択肢となっています。
Thunkableに関するよくある質問
- Thunkableの共有とコラボレーション機能はありますか?
- Thunkableにはアプリケーションプロジェクトを他のユーザーやチームメンバーと共有し、協力してプロジェクトを開発できるようにする機能があります。
複数のユーザーやチームがアプリケーションの開発と改善に協力できるようになるため、開発プロセスが効率的に進行し、チーム間でのコミュニケーションと連携が円滑に行えます。
- Thunkableのエクスポートオプションについて教えてください。
- Thunkableで作成したアプリケーションをエクスポートして、独自のホスティングやストアにアップロードができます。
これにより、カスタムドメインでアプリケーションをホストしたり、独自のアプリケーションの配布が可能になります。