Glideで予約管理・受注管理システムを無料・低予算で構築する方法

本記事では、Glideを活用した予約管理・受注管理の電子化、そしてシステム・アプリを無償・低予算で導入するメリットやポイントについて解説します。

予約管理・受注管理は、サービスや商品の予約を受け付け、効率的にスケジュールを調整するプロセスであり、特にサービス業で多く導入されています。

売上や利益に直結する非常に重要なプロセスで、在庫管理、予約変更・キャンセル、請求など、関連業務が多くあるため、幾つもの課題も存在します。

このようなプロセスを最適化する方法として、予約管理・受注管理のシステムにGlideを活用する方法があります。

本記事では、予約管理・受注管理業務を電子化することによるメリット、特にGlideを活用した無料・低予算での予約管理システムの導入と予約管理・受注管理業務の効率化・自動化についてご紹介します。

予約管理・受注管理の課題と解決方法

予約管理・受注管理は、顧客満足度や売上・利益等の経理・税務対応に関わるため、正確で迅速な対応やスムーズな手続が重要です。

しかし、手動で対応を行う場合、以下のような課題が発生します。

予約管理・受注管理の課題
  • 過剰予約または欠損予約
  • 予約の変更やキャンセルが複雑・面倒
  • 適切なリマインダー・注意喚起の提供が困難・属人化
  • 予約・受注の正確性の担保が困難

こうした課題は、事業規模が小さなうちは、手動で対応することも可能です。

ところが、事業規模が大きくなるにつれて、手動での対応が困難となり、また、業務が属人化することによる弊害も発生してきます。

これらの課題を簡単に解消するためにおすすめな方法が、予約管理・受注管理業務のシステムの導入です。

予約管理・受注管理システムの機能

それでは、予約管理・受注管理システムの機能についてみていきましょう。

予約管理・受注管理の課題を解決するシステムの機能とは

予約管理・受注管理のシステムには、主に次の機能があります。

予約管理・受注管理システムの機能(具体例)
  • サービス・商品の予約・変更・キャンセル
  • 進捗管理
  • 在庫管理
  • 請求書の生成・送信

上記の機能は一部の具体例なので、すべての事業でこれらの機能が必要とは限りませんし、逆にもっと機能が必要な事業もあるかもしれません。

よって、事業内容に応じて、必要かつ十分な機能を有するシステムを選定することが重要となります。

導入システムは事業内容・規模によって検討

高性能な予約管理・受注管理のシステムを導入したとしても、事業規模によっては、導入のコストや使用料の負担のほうが多くなり、結果として、収益を圧迫する可能性もあります。

このため、売上・利益等の事業規模に応じたシステムの導入も重要となります。

そこで注目されているのが、低コストで開発・使用ができるノーコード開発ツール「Glide」です。

Glideを利用すると、企業ごとの業務プロセスに合わせた予約管理・受注管理業務のシステム化が無料・低コストで開発・使用ができます。

Glideの概要とメリット

Glideとは?

次に、Glideの概要と利点を解説します。

Glideは、スマートフォンやタブレットに特化したウェブアプリを開発できるノーコード開発ツールです。

【意味・定義】Glide(グライド)とは?

Glide(グライド)とは、ノーコードツールの一種で、プログラミングのスキルがなくてもスプレッドシートからデータを利用してウェブアプリを構築できるプラットフォームをいう。

【意味・定義】ウェブアプリとは?

ウェブアプリとは、ウェブ技術(HTML、CSS、JavaScriptなど)を使用して開発され、ユーザーがウェブブラウザを通じて様々なプラットフォームで利用可能なアプリケーションをいう。

Glideでアプリを開発する場合、コーディングやプログラミングは必要ではなく、データを視覚的に操作しながらアプリを構築していきます。

ノーコードツールとは?

ノーコード開発とは、ソースコードを書かずに、つまりプログラミングせずに、アプリケーションやWebサービスの開発をする開発手法のことです。

【意味・定義】ノーコード開発とは?

ノーコード開発とは、プログラミングせず、ノーコードツールの使用により、ビジュアルなツールやドラッグ&ドロップ等の直感的な作業によるアプリケーションやWebサービスの開発が可能な開発手法をいう。

こうしたノーコード開発のために使われるツールのことを、「ノーコードツール」「ノーコード開発ツール」といいます。

【意味・定義】ノーコードツールとは?

ノーコードツールとは、プログラミングの知識がなくても直感的な画面操作やドラッグ&ドロップでカスタムアプリを作成できるツールをいう。

ノーコード開発とは?メリット・デメリットやツール・事例についても解説

ノーコードツールは、従来のプログラミングに頼らずにビジネスユーザーや非技術者でも手軽にアプリ開発ができるようにするためのプラットフォームです。

Glideのメリット

Glideにはさまざまなメリットがあります。

Glideの利点
  • ExcelやGoogleスプレッドシートからアプリを開発可能
  • テンプレートが豊富
  • 拡張機能や外部サービス連携の選択肢が豊富
  • 最先端のAIが使える
  • 無料で始められる

なお、Glideの詳細な解説につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

Glideを活用して予約管理・受注管理をシステム化するメリット

Glideを活用した予約管理・受注管理のシステム化には、以下の6つのメリットがあります。

Glideを活用して予約管理・受注管理をシステム化するメリット
  • ノーコードの簡単なシステム構築
  • 低コスト・無料で導入可能
  • 柔軟性と拡張性
  • モバイル対応可能
  • 自動化機能を活用可能
  • メリット6. 24時間365日受付可能

それでは、詳しくみていきましょう。

メリット1. ノーコードの簡単なシステム構築

Glideを活用して予約管理・受注管理をシステム化するメリットの1つ目は、ノーコードの簡単なシステム構築です。

すでに述べたとおり、Glideはノーコード開発ツールです。

このため、プログラミングスキルがなくても、ドラッグ&ドロップの直感的なインターフェースでUIの構築や機能の実装が可能です。

これにより、開発時間を短縮し、コスト削減にもつながります。

メリット2. 低コスト・無料で導入可能

Glideを活用して予約管理・受注管理をシステム化するメリットの2つ目は、低コスト・無料で導入が可能な点です。

Glideはクラウドベースのプラットフォームなので、専用のサーバーやインフラを購入・維持する必要がありません。

【意味・定義】クラウドベースとは?

クラウドベースとは、データやアプリケーションをインターネット上のサーバーに保存し、オンラインでアクセス・利用することができる形態をいう。

また、Glideには、以下のとおり、料金プランが複数用意されています。

Glideの料金表
Maker Team Business Enterprise
料金 $49.00/月 $99.00/月 $249.00/月 $499.00/月
データベースアップデート数 500回 5,000回 10,000回 要相談
エディター数 2個 5個 10個 無制限
公開可能なアプリ数 1つ 無制限 無制限 無制限

参照:料金プランについて(Glide公式サイト)

これにより、導入・運用費用を抑えつつ、機能に応じてプランを変更できます。

無料プランはプロトタイプの開発用と割り切る

なお、Glideには、無料で使えるFreeプランもあります。

しかし、無料で使用できるデータベースのアップデート数やファイルのストレージ数には制限があります。

このため、本稼働用に使うのは現実的ではありません。

Freeプランは、あくまで、プロトタイプの開発のためのプランとして割り切りましょう。

この他、Glideの料金プランにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

ノーコードツールGlideの料金プランは?無料プランや制限を解説

メリット3. 柔軟性と拡張性

Glideを活用して予約管理・受注管理をシステム化するメリットの3つ目は、柔軟性と拡張性です。

業務プロセスの変更やビジネスの成長に合わせて、システムを柔軟にカスタマイズ・拡張することができます。

カスタマイズの具体例
  • 季節ごとに変化する予約ニーズに対応
  • 新しい施設や商品の簡単な追加に対応
  • 特定のイベントに対する特別な予約ルールに対応

メリット4. モバイル対応可能

Glideを活用して予約管理・受注管理をシステム化するメリットの4つ目は、モバイル対応が可能な点です。

Glideは、スマートフォンに特化したウェブアプリの構築に適したノーコードツールであり、PWAに対応しています。

【意味・定義】PWA(Progressive Web Apps)とは?

PWA(Progressive Web Apps)とは、ネイティブアプリのような機能を提供するウェブアプリをいう。

【意味・定義】ネイティブアプリとは?

ネイティブアプリとは、PCやスマートフォンなどのデバイスにインストールして利用される、特定のプラットフォームに最適化されたアプリケーションをいう。

PWAは、ネイティブアプリには及ばないものの、類似の機能を提供できます。

もしネイティブアプリが必要な場合は、AppSheetでの開発を検討するのも一つの方法です。

AppSheetとは?メリット・デメリット、料金、導入事例を解説

メリット5. 自動化機能を活用可能

Glideを活用して予約管理・受注管理をシステム化するメリットの5つ目は、自動化機能の活用が可能な点です。

Glideは、自動化ツールやその他の外部ツールとの連携が簡単に行えます。

これにより、予約の確認、リマインダーの送信、キャンセル処理などの手間を減らすことができます。

自動化の具体例
  • 在庫管理システムや顧客管理システムへのデータ送信
  • Stripeなどの決済ゲートウェイとの連携を通じた支払いの自動化

参照:外部連携について(Glide公式サイト)

メリット6. 24時間365日受付可能

Glideを活用して予約管理・受注管理をシステム化するメリットの6つ目は、24時間365日受付が可能な点です。

手動で受注や予約を受け付ける場合、人間が対応できる営業時間内でしか対応できません。

これに対し、システムやアプリでは24時間365日いつでも受付が可能になります。

この場合、翌営業日に予約・受注の確認と確定の業務フローを実装すると効果的です。

Glideで予約管理・受注管理のアプリを構築した場合、こうした周辺の業務フローについても、併せて実装できます。

Glideの予約管理・受注管理システムの機能

Glideで実装可能な予約管理・受注管理システムの機能をいくつかご紹介します。

Glideの予約管理・受注管理システムの機能
  • 予約・注文フォーム
  • 自動通知
  • カレンダービュー
  • 顧客管理
  • 支払いサービスの連携

機能1. 予約・注文フォーム

Glideの予約管理・受注管理システムの機能の1つ目は、予約・注文フォームです。

Glideでは、予約・注文フォームを使うことで、顧客が希望する予約日時を簡単に指定できます。

また、必要な項目(名前、電話番号、メールアドレス、予約日時、サービス内容、担当者の選択など)は自由にカスタマイズできます。

これにより、業界特有の項目を追加することも可能です。

参照:フォームについて(Glide公式ヘルプページ)

機能2. 自動通知

Glideの予約管理・受注管理システムの機能の2つ目は、自動通知です。

Glideでは、予約が確定すると、自動的に顧客に確認メールやSMSを送信するように設定できます。

また、予約日前日にはリマインダー機能を利用して、再度通知を送ることも可能です。

さらに、社内向けには、新規予約やキャンセルの通知を自動通知するのが便利です。

参照:メール送信について / SMSについて(Glide公式ヘルプページ)

機能3. カレンダービュー

Glideの予約管理・受注管理システムの機能の3つ目は、カレンダービューです。

Glideでは、予約情報をカレンダー形式で表示すると、日付ごとの予約状況を直感的に把握することができます。

また、特定の日付を選択すると、その日の予約の詳細情報も簡単に確認できるようもできます。

これにより、スムーズなスケジュール管理が可能です。

参照:カレンダービューについて(Glide公式ヘルプページ)

機能4. 顧客管理

Glideの予約管理・受注管理システムの機能の4つ目は、顧客管理です。

Glideでは、顧客情報を一元管理するデータベースを簡単に作成できます。

また、検索機能を活用することで、顧客の過去の予約状況や詳細情報に迅速にアクセスすることが可能となります。

参照:テーブルについて(Glide公式ヘルプページ)

機能5. 支払いサービスの連携

Glideの予約管理・受注管理システムの機能の5つ目は、支払いサービス連携です。

Glideは、StripeやPaypalなどの決済プラットフォームとの連携を行うことで、オンラインでの支払いが可能です。

予約と同時に支払いを完了できるため、顧客にとってもビジネスにとっても、より便利になります。

参照:Stripeについて(Glide公式ヘルプページ)

Glideを活用した予約管理・受注管理のポイント

最後に、Glideを活用した予約管理・受注管理のポイントをいくつかご紹介します。

Glideを活用した予約管理・受注管理のポイント
  • ユーザーフレンドリーなインターフェースの設計
  • 適切なアクセス権限の管理
  • サービスの可用性とパフォーマンス監視

ポイント1. ユーザーフレンドリーなインターフェースの設計

Glideを活用した予約管理・受注管理のポイントの1つ目は、ユーザーフレンドリーなインターフェースの設計です。

社内利用よりも外部利用(BtoBやBtoC)がメインとなる予約管理・受注管理システムでは、使いやすさと見やすいデザインが特に重要です。

シンプルで直感的に操作できるインターフェースの設計が鍵となります。

【意味・定義】インターフェースとは?

インターフェースとは、「境界面」や「接点」のことであって、2つの異なるシステムなどがお互いに通信や操作を行うために必要な方法やソフトウェアをいう。

インターフェースとは?システムやアプリ開発で使われる場合の意味をわかりやすく解説

また、サポート体制の強化やヘルプセンターの用意も、ユーザーにとって非常に効果的です。

ポイント2. 適切なアクセス権限の管理

Glideを活用した予約管理・受注管理のポイントの2つ目は、適切なアクセス権限の管理です。

予約管理・受注管理システムは、多くの顧客情報(個人情報)を取り扱います。

このため、関係者の権限の設定によっては、不正に情報が持ち出されるリスクがあります。

そこで、データへのアクセス制約やセキュリティフィルタを設定し、機密情報やプライバシーをしっかりと保護することが重要です。

ポイント3. サービスの可用性とパフォーマンス監視

Glideを活用した予約管理・受注管理のポイントの3つ目は、サービスの可用性とパフォーマンス監視です。

予約管理・受注管理のシステムは売上に直結するため、常に安定的に継続して稼働できるかどうか、つまり可用性が重要となります。

この可用性を維持するためには、サービスの利用者数を正確に把握し、サーバーの冗長性や負荷対策を施し、安定したパフォーマンスを発揮できるよう、パフォーマンスを監視する必要があります。

具体的には、以下のような状況で、想定以上にサーバーに負荷がかかった場合、可用性が維持できないなどのリスクが発生しやすいので、注意が必要です。

サーバー負荷の具体例
  • ユーザー数が急激に増加する場合(特定のキャンペーンやイベント時に、予約や利用者が一気に増えた)
  • リアルタイムの大量データ更新が必要な場合(大規模イベントで多数の予約変更やキャンセルがリアルタイムで行える場合など)
  • 多拠点で同時アクセスされる場合(複数の拠点でスタッフが同時にシステムを使用するなど)
  • 外部サービスとの連携が増える場合(決済やリマインド通知など、外部APIと頻繁にやりとりが行われる場合)

まとめ

予約管理・受注管理システムの導入は、正確で効率的な情報管理を実現し、顧客満足度の向上にも直結します。

他方で、現場の実態や業務に合っていない予約管理・受注管理システムを導入してしまうと、かえって手動での作業量が増えてしまうリスクがあります。

こうしたリスク・課題に対応する方法として、Glideを活用した予約管理・受注管理システムの構築が挙げられます。

Glideは、従来の予約管理・受注管理に合わせてシステムを自由に構築できるので、低コストで最適な予約管理・受注管理システムの導入を考えている方におすすめです。

当社では、こうしたGlideを含めたノーコードツールを活用した業務アプリ・業務システムの開発会社の選定をサポートしております。

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